■療育和太鼓のご紹介
ここ近年、広汎性発達障害という言葉が一般の方々にも広く知られ、その概念に対する認識も高まりつつあります。しかし、広汎性発達障害とひとことで言っても、自閉性障害やアスペルガー障害など、その特性は異なり、個人差もあります。また、一般的に知的障害と呼ばれる精神遅滞をはじめ、ADHDと呼ばれる注意欠陥・多動性障害、LDと呼ばれる学習障害などを含めると、子どもたちのもつ発達上の課題は一人ひとり違ってきます。さらに、染色体異常による障害や、その他、器質的なことからくる課題や生きづらさもあり、子どもたちの状態像と発達課題は、まさに千差万別と言えるでしょう。しかし、お父さん、お母さんからすれば、少しでもわが子の好きなこと、喜ぶことをやらせてあげたい、持てる力を伸ばしてあげたいと願う気持ちは皆さん同じではないでしょうか。また、和太鼓は全身運動を伴うため、リハビリ的な効果に期待される方、あるいは、特技や趣味のひとつにとお考えの保護者がいらっしゃるかもしれません。もちろん、和太鼓が全ての子どもにとって万能なわけではありません。和太鼓を通して役に立てることと同じくらい、その限界にも気付いておく必要はあると思います。しかし、私は、公的機関における健診や巡回相談、療育施設での業務を通して、たとえ障害特性は違っていても、どの子にも伸びようとする柔軟性、果てしない好奇心と可能性があることを実感しています。そんな子どもたちの将来に笑顔を増やし、さらによりよい自立へとつながるよう、この臨床和太鼓でお手伝いできればという強い思いから、臨床和太鼓研究所  を立ち上げました。

■ストマネ和太鼓のご紹介
私は、病院臨床において、成人患者さんのカウンセリングを担当しています。患者さん自身が気付いている場合とそうでない場合がありますが、ストレスが原因だと思われる様々な苦痛を、臨床心理士として常々実感しています。自分ではどうしようもできないことがある一方で、自分でできるストレス・マネジメントがあることも確かです。大きなかけ声をかけ合いながら全身を使って和太鼓を打つことは、その営み自体にストレス発散の効用があるかもしれません。しかし、それらに加え、ストレスのメカニズムを知ること、自分のストレス反応を知りモニタリングすること、ストレス対処法を習得し活用することを通し、主体的・持続的にストレスをコントロールし、ご自身のストレス・マネジメントを行っていくことを目指し、新たに成人対象のストマネ和太鼓クラスを新設いたしました。

 
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